天津天神の巫女として生まれ、清廉勇猛に育った少女、天津亜衣は

戦いの末に敗れ、宿敵カーマによって、巫女の資格である純潔を奪われ

その魂と肉体を、淫魔のものに変えられ

度重なる陵辱、蹂躙の末に、その子宮に最大の禁忌である淫魔の、邪淫王の子を孕まされたのだった。

 

 

 産み落ちたばかりの淫魔の双子は、カーマと悪衣によって名が付けらた。

 そうして、そう大きく時間は掛からずに、男児はカイと名付けられ、女児は、アーミィと決められた。

 

 それは、カーマと、亜衣の二人の分身として相応しいようにと

 二人の名を混ぜ合わせた。至極単純で、それが故に、名付けの母の愛に溢れた名前。

 

 

 

 そして・・・・・・

 

 

 

 

 

 

  ◇    ◇

 

 

 

 

       淫魔の社  亜衣の部屋

 

 

 

 

天津亜衣が、己とカーマの分身である双子を出産したあの日から時は経過し、その翌日。

 

 

 

 

「・・・・・・・・・ ん・・・・・・」

 

 まどろみから覚め、うっすらと目を開ける。

 そこで、亜衣の目に最初に映ったものは、今となってはすっかり見慣れた、淫魔の社の、自分の部屋の天井。

 

 肌の感触で、服を着ている事が分かる。

 部屋の鏡越しに、それは妊娠時に帰させられていたショールや、オーバーオールとはまた違う服だと分かった。

 

 インドの踊り子のような、至って露出の高い軽装の服だが・・・

それでも、何も着ていないよりはありがたい。

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 靄のかかった頭の中は、ゆっくりと思考が整えられていく。

  

 

 ・・・・・・あの日、最後に覚えているのは、いよいよ淫魔の子を、カーマの子を産んでしまうのだという、恐怖感。

 その先に何が待ち受けているのかという、不安感。

己の胎を伝ってわかる、生命の脈動に対する、説明も、認めることも出来ない、感情。

 

そして、それら全てをさえ、激流の如く流し出してしまった

出産の・・・ 子を誕生させるという行為の、想像を超えた激しい苦悶と、喉の奥から絞り出される、自分の悲鳴。

 

 あとは、よく覚えていない。気を失っていたのだろう。

 ようやく気付いた時には、私は遊戯室に寝かされていて・・・

 

 

「わた・・・ し・・・」

 意識の覚醒と共に、まず行った事は

 

 

(さす・・・ さす・・・)

 

 

 自分のお腹をさわる事。

 

 

 妊娠・・・ カーマの子を宿していた時、いつもなら触れていた場所は、空振り。

 それよりずっと低い、懐かしい位置で、手が触れる。

 

続いて目線を下に向けると、そこにあるのは、カーマの子を孕み、鞠のように膨らむより前の、完全な元の状態の腹部があった。

 

 

「戻って・・・ る・・・?」

 さすりさすりと、しつこいぐらいに自分の腹を撫で擦る。

 

 誰かに聞いた事のある、【産後のヒダチ】というものは一切見られず、違和感もない。

 まるで、カーマに孕まされるより前に、もどったかのような・・・

 

 

「(もしかして、本当に・・・)」

 カーマの子を妊娠した事も、産んだ事も、全て夢だったのか。

 

 カーマに陵辱され、蹂躙され続ける生活での強い不安が生んだ、私を苦しめる悪夢だったのかも、しれないと

 そんな、亜衣の心の中に僅かに浮かんだ現実逃避は

 

 

あー うー・・・・

 

「っっ────!!?」

 どこかしらから聞こえた、赤ん坊の声によって

粉々に、打ち砕かれた。

 

 

「え・・・・・・?」

 ゆっくりと、声の方向に振り向く亜衣。

 そこには

 

 

あー・・・ ぶうー、うー・・・

 

 僅か数歩前。揺り籠のような台の中。

 私の目の前に、二人の赤ん坊がいる。

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

 この位置からじゃ、顔が分からない。

赤ん坊が、二人いるって事しか・・・ わからない。

 

 わからないなら、わからないままでいい。

 きっと、見てしまったら、逃げられないから・・・

 

 でも・・・ でも、どうして・・・

 

 

(すっ・・・・・)

 

 

 どうして私は、立ち上がって

 足が、台の方に、向いて・・・

 

 

(ドクン、ドクン、ドクン・・・・・・)

 

 

 ふらふらとした足取りながら、一歩一歩と、近づいていく。

 3歩、4歩、5歩と、どんどん、近くに・・・

 

 

(ドクン、ドクン、ドクン、ドクン・・・・・・!!)

 

 

 心臓の音が、五月蝿い。

 自分の足が、鉛のように重い。

 

 それでも、足は止まらずに

 遂にそれが届く位置にまで近づいた私は、台の縁に手をかけ、二人の赤ん坊を、覗き込んだ・・・・・・。

 

 

「あ・・・・・・・」

 そこで、天津亜衣の、全ての思考は停止する。

 

 

 金色の髪と、赤い眼をした男の子と

 光の加減で茶の色を織り交ぜる、黒曜色の髪と、瞳の女の子。

 

 それだけの特徴以外は、まるで瓜二つといえる、双子の愛らしい赤ちゃん達。

 

 それは、全てを諦めるに足るほどに、カーマと・・・ そして

 亜衣(わたし)に、似すぎていた・・・・・

 

 

「あ・・・ あ・・・・・・」

 

 もう、自分で自分を誤魔化すことも出来ない。

紛れも無く、この子達は・・・ カーマと・・・ 私の間に生まれた子だ。

 

つまり、この子達は・・・ 天津の血と、淫魔の血を宿した半人半魔の子。

鬼麿様と同じ、神聖たるべきその血に、淫魔王という最大の魔が融合した鬼子を、私が産んだ・・・

 

退魔の間で最大の不吉とされる、災厄を呼ぶ禁忌の子を。

 確実に、淫魔の次代の王となる子を。淫魔王を産んだのだ。

 

 

「わたし・・・ は・・・・・」

 その場で、力を失い、亜衣はへたりこむ。

 

 

 天津の巫女として生まれた存在でありながら、天津を・・・

 最悪の形で、裏切ってしまった。

 

いくら自分の意志ではなく、無理矢理だったとはいえ

天津の巫女が淫魔王を産むなど、天津への最大の裏切りでなくて何だと言うのだろう。

 

 

「おばあちゃん・・・ 麻衣・・・ みんな・・・

ごめんな、さい・・・ わたし・・・・・・ わたし・・・・・・・」

 

 とめどなく溢れる、涙。

 しかしいくら後悔しても、懺悔しても、決して現実は変わらない。

 

 尊厳としての、天津の巫女としての最後の資格すらも失った今。

 天津亜衣は、身も心も、魂すらも。淫魔王の妻、淫魔の姫と成り果てたのだ。

 

 

 心のどこかで、まだ何とか出来るかもしれないと思っていた。

 その胎に淫魔王の子を宿してさえ、ありもしない希望をどこかに抱いていたのだと思う。

 

 でも、そんなものは・・・どこにも、なかった・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「う────っ あ─────っ・・・・・・・」

 

「えっ・・・!?」

 そんな、絶望の底に居た亜衣の、縁を掴む指を、何かが掴んだ。

 

 双子の赤ん坊の・・・ 女の子。

 そう、アーミィだ。

 

 アーミィは、亜衣の人差し指を、その小さな小さな手で、ぎゅっと掴んでいる。

 

 そして

 

 

(ぎゅ・・・)

 

 

「あ・・・・・」

 もう片方の手の人差し指には、競うように、兄のカイが掴んできた。

 

 

(きゅん・・・・・・)

 

 

 その時、亜衣は

 自分の心臓が、これまで経験したこともない、未知の感覚に包まれた事を感じ取る。

 

「もしかして・・・」

 慰めて・・・ くれたの?

 

 そう言おうとして、亜衣は初めて、双子の赤ん坊の目を正面から見た。

 

 淫魔の・・・ 魔の事は到底思えない、純粋で無垢な瞳。

 その瞳が、笑顔が、亜衣を何の疑いもなく、誰に教わるでもなく、母と理解して

 何の警戒もせず、身を委ね、甘えてくれている。

 

 なんて弱々しく、なんて力強く

なんて無垢なのか、なんて、柔らかなのか。

 

なんて・・・・ なんて・・・

 

 

「・・・・・・・・・・ あたたかい・・・」

 

 その時、亜衣は

 生まれて初めて、自分でもわからぬうちに、母としての温もりを感じた。

 

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

 おそるおそる、縁越しにではなく、直接双子に触れる。

 ぷにぷにとした肌と、触れられる心地よさにか、かわいらしく体をくねらせる愛らしい反応。

 

 ゆっくりと、力を入れないように気をつけながら

包み込むように、まずはアーミィを抱きしめた。

 

 

うー・・・・・

 

特に苦しそうな声も、顔もしていないのを確認すると、慎重に抱き上げる。

するとアーミィは、ぽてん、と。自分の体重を母に預けてきた。

 

「だーう。だーうぅ〜!」

 それを見てか、カイの方は不機嫌そうに唸る。

 

「あ・・・ ご、ごめん・・・」

 亜衣は慌てて、もう片方の手でカイを同じように抱えた。

 途端にカイの顔からは不機嫌さが消え去り、アーミィと同じように体重を預けてくる。

 

 双子の体重は、見た目よりも少し重く、そのずっしりとした重みに、そして暖かさに

 そして何より、ぴったりと触れた肉肌を通しての心臓の鼓動が、それを生命(いのち)だと告げてくる。

 

その時、その瞬間、亜衣は確かに

全ての不安を忘れ、心掴まれ、暖かなものに包まれていた。

 

 

 

 

 

 

  ◇    ◇

 

 

 

 

 

 

 どれぐらいの間、そうして

 子供の温もりを確かめていただろうか。

 

う゛〜〜〜〜・・・・・・・・

 

「え・・・?」

 それまでひたすらに亜衣に甘えていたアーミィから、まるで不機嫌な唸りが発せられる。

 

 

「(もしかして・・・・・・)」

 

 いや、何故か・・・

 泣き声で、そして、私を見るその視線で、わかってしまった。

 

「母乳が・・・ 欲しいの?」

 

う〜・・・・・

赤ちゃん・・・アーミィは、亜衣の言葉を肯定するかのように、物欲しそうな目を大きくぱちくりとさせる。

 

 

「・・・・・・・・・・・」

 どうしたらいいのか、わからない。

 わからない、けど・・・・

 

 

「あげなきゃ・・・・・・ ダメ、よね・・・」

 

 視線をあちこちに泳がせながら、誰かに答えを求めるような言い口で、敢えて頭の中の内容を言葉にする。

 

 そして

 

 

「ん・・・・・・」

 亜衣は意を決すると

 双子を抱えたまま、腕の動きだけで、ゆっくりと胸を隠す布をずり上げた。

 

 小さな小さな赤ん坊の前で、自分から胸を露出して差し出すという、気恥ずかしいような、不思議で奇妙な感覚。

 

 

そして

 

 

(ぱくっ・・・!)

 

 

 

「んっ・・・ く・・・」

 最初にアーミィが、そして、それを見たカイが

 小さな口を大きく開け、亜衣のそれぞれの胸の先端、乳首にしゃぶりつく。

 

 

「ふ・・・ あ・・・っ!?」

 小さく可愛らしい身体からは考えられないほど強い吸引力で、チュウチュウと、亜衣の母乳を吸う双子。

 

「う・・・そ・・・ こん、な・・・  ん、ぅっ・・・・!」

 Uの字に曲げられた柔らかな舌先は、母亜衣の乳首を挟み、口全体で胸の中のミルクを吸い上げる。

 赤子の本能なのだろうか、それは搾乳機のように正確で。

 

「あ・・・ あ・・・ んっ・・・ く、ぅ・・・」

 子供達は、純粋に母乳を求めて吸っている。

 なのに、長い間執拗にカーマに開発されてきたその身体は、自分の子供の吸い立てにすら、必要以上に反応をしてしまっていた。

 

 強く吸われ、舐られるごとに、痛いほどに乳首の先から電流の如く突き抜ける快感が、身体を震わす。

幾らそれを押さえ込もうとしても、意志とは関係のない所から声が漏れてしまう。

 

 

 数分と経たずに、亜衣の乳房内の乳は吸い尽くされた。

 しかしそれでも、まだ満足しないのか、双子たちは尚も、強い力で亜衣の胸を吸い、手放そうとしない。

 

「も、もう・・・ 出ない、から・・・ やっ・・・ ぁ・・・!」

 吸い取られたように力が抜け、膝を落としてしまう、亜衣。

 それによってか、双子の口はようやく亜衣の乳首から離れてくれた。

 

 

「ハァ・・・ ハァ・・・・・・ ハァ・・・・・・」

 その理由もわからないまま、いつしか荒くなっていた呼吸を、深呼吸で整えると

 

 

 そこに

 

 

「ほう、もう乳をやっているとはな」

 今や、誰よりもよく知る声が、背後から響く。

 

「っっ────!!」

 驚愕と共に振り向いた先には、やはり

 

「感心な事だな」

 双子の父親、カーマがいた。

 

「子に乳をやるその姿。もはや立派な淫魔の母のそれだったぞ」

 にやりと悪辣に微笑み、そんな言葉を亜衣にかける。

 

「・・・・・・・・・・・っっ」

 押し殺しきれない屈辱と怒りに、小さく身を震わせる亜衣。

 そんな亜衣の反応すらも目で楽しみながら、カーマは極自然に亜衣との距離を詰めていく。

 

「しかし・・・ 子に乳を吸われ感じるとはな」

 ポン、と。

 亜衣の肩に手をやりながら、そう一言。

 

「・・・・・・・!! そ、それは・・・っ ・・・・・」

 反論しようとした亜衣だったが、すぐに言葉が詰まる。

 

 “カーマが、散々私の身体を好きなようにしてきたからじゃないか”などと、言える筈がない。

 いくら現状がそうであっても、それを自らの口で認めてしまうなんて・・・

 

 

「フ・・・ まあ、いいが」

 そんな亜衣の心情をも全て見透かしたような目で、カーマは口端を少しだけ釣り上げ

 

「それにしても、大きくなったな」

「・・・・・・」

 

 反射的に、カーマの視線から目を逸らし、視姦に耐える。

 カーマが何のことを言っているのか、そんなことは、確認するまでもなかった。

 

 ・・・私の、胸。

 かつてカーマと戦っていた時、こうしてカーマに全てを奪われるまでは、それなりに平均のサイズだったと思う。

だがそれも、今は全く違う。

 

カーマに毎日のように弄られ、玩(もてあそ)ばれ、

子を孕まされまでした胸は、かつての倍に近いサイズにまで、大きく膨らんでしまっていた。

 

・・・身体を動かすたび、胸の重さを感じる毎に

 妊娠や出産、それを喩え無視してさえ、自分の身体が悉くカーマのものとして変えられているという事を、嫌でも痛感する。

 

 

 

「さて」

亜衣が押し黙っていると、カーマは腰を下ろし、亜衣の真後ろ・・・

肌が触れるか触れないかという距離まで、肉迫する。

 

 後ろ髪に当たる、カーマの息遣い。

 

 

「な・・・ 何・・・?」

 不安と焦燥にかられ、たまらず亜衣はそう問うた。

 

「何、とは?」

 すると逆にカーマは、そう問いを返してくる。

 

「何を・・・ する、つもりなの・・・?」

 亜衣の問いにカーマは

 

「フ・・・」

ニヤリと悪辣な笑みで返し

そのまま手を伸ばすと、亜衣の右胸を触れ、ゆっくりと撫ぜた。

 

「っ・・・・!」

 カーマの冷たい指の、吸い付くような感触に、ピクンと亜衣は身体を震わせてしまう。

 

 そんな亜衣の反応を楽しみながら、カーマは更に亜衣の胸を両手いっぱいに鷲掴みにした。

 

んんっ・・・!」

 きゅっと口を閉じ、声を上げてしまうのを我慢するが、それでも僅かに漏れてしまう。

 

「まったく大したものだな。俺の両手にすら余るようになった。

 それどころか・・・ わかるか? 少し持ち上げただけで、俺の指を咥え込むように埋もれさせているぞ」

 

  亜衣の耳元に、声で耳の奥まで撫ぜるように囁きながら

豊かに、そして淫艶に成長した亜衣の乳房を、まるで捏ね上げるように慣れた手つきで大きく揉みしだき、その柔らかさを堪能する。

 

 くにくにと、カーマの掌の上で形を変えられ、驚くほどに形を歪めては、また元の形に戻り・・・ を繰り返す。

 それはたまらなく美しく、あらゆる男性を虜にしてしまうであろう淫らな、しかし同時に神聖さすらも見る者に魅せていた。

 

 その至高の宝とも言うべき美乳を、己のものとして弄ぶ

その恍惚と興奮が、カーマを更に夢中にさせる。

 

 

「い・・・やっ・・・ 言わ、ない・・・ ん、くぅぅっ・・・・!」

 否定しようとする亜衣の言葉すらも、カーマに指先で強く乳首を抓まれるたび、かき消されてしまう。

 

 もはや、亜衣の身体は、カーマの思う様に、いいように操縦されるようになってしまっていた。

 精神(こころ)が否定しても、身体は・・・

 

 

「すべすべとして柔らかく、触れれば指に吸い付いてくる」

 そう言いながら、続けてカーマは、指先の感触を楽しむ形で、乳房を上下左右に捏ね繰り回す。

 

「うぁっ・・・! ん、ふ、うぅっ・・・」

 腕に抱く子供に見られていると思うと、余計に強い羞恥に晒される。

 それでも、唇を噛んで必死意耐えても、意思に反して声は漏れ、平成の表情を保てない。

 

 

「だが、しかし・・・」

 そう言葉を区切るや否や、

 カーマは、いきなり亜衣の乳房全体を、ぎゅうと握りつぶした。

 

「やっ・・・!? い、痛っ・・・!」

 不意打ちに押し寄せた痛みに、目を見開き驚く亜衣。

 

「乳の出がいささか悪いな」

 カーマの言葉通り、強く握り絞ったにも関わらず、亜衣の胸から母乳は、雫ほどしか垂れていない。

 先程の授乳において、ほとんど双子達に母乳を与えたのだから、当然といえば当然である。

 

「そん・・・ な・・・ もう、充分・・・」

 子に与える正確な乳の量なんて亜衣は知る由もないが、

 それでも充分過ぎるほどの多くの量を双子は飲んだ筈だと、亜衣は思っていた。

 

「ああ、人間の子ならな。しかし淫魔の子は違う。

 強い妖力の素質を持つ子であればあるほど、多くの乳を欲するのが淫魔の子だ。

 だからこそ、その母の淫魔は多くの乳を出すんだが・・・ ふむ。

妊娠の早さに対し、乳腺の発達が追いついていないのか・・・ とにかくとして、このままではいかんな」

 

  つつ・・・ と、乳の付け根から先端近くまでを軽くなぞり、息を吹きかけつつ、耳元で呟く。

 

ん、くっ・・・・ なに、が・・・?」

 軽くオモチャのようにされている状況への屈辱と、そんなもどかしい指使いにすら、慣らされた身体が感じてしまっていること。

 それらに耐えながら、亜衣は疑問を口にする。

 

「では更に説明してやろう。

淫魔の子は多く乳を飲む。それはただ腹が減るからというだけじゃない。

 それだけなら、人間の子のように哺乳瓶で事足りるからな。

 ・・・淫魔の親が子に与える母乳には、それそのものに上等な妖力というもう一つの栄養がある。

 生まれたばかりの子は、それを飲んで強い妖力を味で覚え、蓄え・・・ 親の素養を吸収、継承し、強く成長するわけだ」

 

「それ、じゃあ・・・」

 

「つまり、お前の乳と、そして愛情がカイとアーミィを鬼獣淫界の王子、王女として強く育てるという事だ。

 だからこそ、二人が欲しがるだけの乳を出せるようになってくれなくては・・・ 困る」

 

 

(ぎゅうっ・・・!)

 

 

「きゃっ・・・!!?」

 いきなり両乳を付け根から更に強く鷲掴みにされ、亜衣は十代の少女に似つかわしい悲鳴をあげた。

 

「ふふ、可愛い声だ」

 そんな亜衣の珍しい悲鳴の可愛らしさに刺激されたのだろう。

 カーマの声は、実に嬉しげである。

 

「な、なに・・・!? どうする、つもりなの・・・?」

 

「なに、簡単だ。乳腺に強い刺激を与え、妖力の通りを活性化させれば、乳の出は確実によくなる。

 その為に・・・・・ おっとその前に、カイとアーミィをしっかり抱いておけ。決して落とすなよ」

 

「・・・・・・・・・・・・?」

 断片的にしか情報を齎してくれないカーマに、亜衣の不安は増大し

その動悸は、胸を潰し握っているカーマに手に取るように伝わっている。

 

 そして・・・ 言われるまでもなく、無意識の母性か、我が子をしっかりと抱き留めている事も。

 

「まあ・・・ その様子を見れば、無用の心配か」

 言い終わるや、すぐにカーマは、ボソボソと何かしらを唱え

それと共に、乳房を握るその手に、妖力が集束し始める。

 

「う・・・あ・・・? あ・・・っ」

 冷たいような、熱いような、カーマの妖力の波動が、じわじわと乳房の中に浸透してくる、奇妙な感覚。

 

 

「・・・っ!? あ、あ、ああああああああ────────っっ!!!!???

 

 一気に爆発的に押し寄せた、未知の感覚に、仰け反った亜衣の喉から悲鳴が漏れる。

 

 そして

 

「あ・・・ え・・・?」

 一瞬、自分の体に何が起こったのか、わからなかった。

 見た目は何も変わっていない。

 

「何を・・・ したの?」

真後ろのカーマに、恐る恐る尋ねる。

 

「フフ・・・ なに、すぐにわかる」

 対してカーマは、含みのある笑いでそう答えた。

 

「すぐに・・・・・・? ・・・・・・・・・っ!!?」

 異変は、本当にすぐに現れた。

 

「う・・・ あっ・・・」

 奇妙な感覚に、思わず声が出てしまう。

 それが真後ろのカーマに聞かれているという事を思い出し、慌ててきゅっと唇を噛み直した。

 しかしその間にも、

 

「(な、なに・・・? む、胸が・・・ 熱・・・い・・・?)」

 カーマに掴まれた付け根の辺りから、乳房の全体が燃えるように熱く感じる。

 それだけではなく・・・

 

「くっ・・・ う・・・」

とんでもなく過敏に、ひんやりとした空気が触れるだけでも震えてしまうほどに

胸に当たる全ての感触が、ひどく敏感になっていっている。

 

 胸の柔肌に触れているだけだというのに、まるで・・・ 性器に直に触れられているかのような、強烈な快感が襲ってくる。

 

「効果が出て来たらしいな」

「う、ぁっ・・・ な、に・・・? 何なの、これ・・・!?」

 

「胸の中の妖力の通り道を、俺の妖力で一気に活性化させた。

そうだな・・・ 閉じていた水路に大量の水を流し激流を作ったようなものだと思えばいい。

その作用で、胸の性感が一時的に千倍近くになっているのはわかるだろう?

今までほとんど閉じていた妖脈の働きをフル稼動にしようというのだから、まあ当然だな」

 

「そん、な・・・ ひっ・・・ ぐ・・・う、んんぅ・・・」

 ただ空気に触れているだけでも、とても耐えられるものじゃない。

 

「フッハハハハ。流石だな、亜衣。

これをされた女はどんなに鍛えられた淫魔や退魔師でも理性が崩壊し、よがり狂っているところだ。

永きに渡って俺の調教を受け続けながら、その精神力・・・ 素晴らしいぞ」

 

  哂いながら亜衣を賞賛するカーマは、本当に嬉しそうだった。

 

「ふ・・・ ざけ・・・」

 亜衣は尚も気丈に、カーマに怒りの視線をぶつける。

 

「フフッ」

 そんな亜衣の向けてくる表情、感情をも楽しそうに受け止めつつ

 

 

(ぎゅうっ・・・!!)

 

 

ひあっっ───!?

 カーマは突然、亜衣の尻肉を抓る。

 

 唐突な痛みの感触に、ビクンと体を震わせる亜衣。そして──・・・

 

「っっ・・・・!!? ぁ・・・?」

 確かに感じた違和感と、形容しがたいおかしな感触。

 

「お前が感じる全ての刺激が乳房に集まり【弾ける】ようにもしておいた」

 その疑問に、カーマはさらりと答えを教える。

 

「上質の妖力が込められた母乳が大量に出るようにするには、しっかりとパスを通す必要があるからな。

 肉体と妖脈の両方に最大まで刺激を与え続けることで開通し、乳房内での母乳の生産を活発にさせるという寸法だ。

なに、この状態で何度か絶頂を味わえば、乳も溢れるように出るようになるだろう」

 

「ぜっ・・・・!?」

 絶頂・・・?

 

「そんな・・・ ウソ・・・」

 今は赤ちゃんを抱いているのに、そんな状況で・・・

 赤ちゃんの前で、そんな事を・・・ されるの・・・?

 

「そうだとも」

 カーマの手が、ゆっくりと亜衣の敏感になった乳房を再び触り始めた。

 

「うあっ!? ああああっ!!」

 上乳の表面をさっと撫でられただけで、電撃が走ったかのような快感が走る。

 

 無論、それで手を止めなどはしない。

 更に、指先全てで乳首の周りの部分を弧を描くような愛撫に攻め方を変え

 

「あうっ! ひううっ!? は、うんんっっ・・・ あ、あんっ!!」

 時折不意打ちのように、乳首を軽く弾いては、乳肉の愛撫に戻り、と。

 フェイントを巧みに使い分けた指使いで、必死に我慢をしようとする亜衣から、面白いように声を上げさせ続けた。

 

 それだけではなく、例えば首筋に舌を這わせたり、背筋を舐め上げたり

 肌同士を擦り上げたりと、カーマは派手な動きは一切見せないまま、全身を使って絶妙に亜衣の全ての箇所を愛し続ける。

 

 そんな、敢えて絶頂をさせないギリギリの、蟲惑的な責めがどれだけ続いたか

 

 

「ハッ・・・ ハ・・・く・・・  や・・・ 止め・・・ おねが・・・」

 それまで必死に快楽に耐えるだけだった亜衣が、初めてカーマにやめてと懇願した。

 

「うん?」

 そんな亜衣の懇願に、後ろから顔をぐいと覗き込むカーマ。

 

 

「このまま、じゃ・・・ 赤ちゃ・・・ 落とし、ちゃ・・・」

 既に絶え絶えの息で、亜衣が必死に懇願したのは、自身の事ではなく、腕に抱く二人の赤ん坊のことだった。

 

 理性を徐々にとろかされ続けたせいか、己の子供への純粋な心配の心が口をついて出たのか。

それはカーマも初めて見る、亜衣の中で育ち始めている母性の顔だった。

 

「フッ、フフフ・・・」

 それがカーマには、たまらなく魅惑的に映った。

 そして俄然、そんな亜衣の新たな一面までをも全て独占したいという欲も燃え上がる。

 

「大丈夫だ」

 そう言うと、カーマは亜衣の腰に手を回し、中座から完全に立ち上がるまでの中間まで、ひょいと赤ん坊ごと持ち上げる。

 

「っ・・・・?」

 突然に持ち上げられた事に、当然の如く亜衣は驚いた。

 何が起こるのかという不安に、双子を抱く手に自然と力が入る。

 

「お前がどれだけ強い女かは、俺が一番よく知っている」

「勝手な、こと・・・  ・・・・っ!?」

 

 

(クチュ、クチュ・・・)

 

 

 亜衣が怒りの言葉をぶつけるよりも前に、カーマの左手の指が、亜衣の秘所、すでに愛液の滴る花弁に触れた。

 

「ふ、あ・・・! や・・・っ」

「まるで洪水だな。ここはまだ触っていなかったというのに」

 

 尤も、限界にまで性感を高められた胸を執拗に攻められ続けたのだから、この状態はむしろ当然だったが

 

「・・・・・・・っっ」

 それでも亜衣は、羞恥に頬を染め悔しそうに俯いている。

 

 

「さて・・・ これだけ濡れていれば、問題ないな」

 亜衣の秘所から指を引き抜き、目の前で指を開いて愛液の雫を確認するカーマ。

 

「え・・・!? まさ、か・・・」

 そんな、まさか・・・

 

 このまま、犯す気・・・・───!?

 

 

「ああ。胸だけで絶頂へ導くというのは余りに味気ないからな。

それに・・・ もう一週間と12時間も亜衣(おまえ)を抱いていない」

 

亜衣の、花のように上品な後ろ髪の香りを一度(ひとたび)吸い込み、カーマはそう言った。

 

 

 亜衣の身体が淫魔の本格的な出産周期に入ってから、カーマは亜衣に触れる事はあっても、決してそれ以上をしなかった。

 更にタオシーに亜衣の身体状態を逐一確認させ、とにかく丁重に亜衣を扱っていた。

 

 勿論、淫魔の常識で見れば異質中の異質といえる行為である。

 タオシーの計測でも、それ自体は何ら問題がないことは把握していた筈だったが、それでもカーマは手を出さなかった。

 

 そんなカーマの行動の真意は、誰も知る由はないが・・・・・・

 

 

(ズ・・・プ・・・!!)

 

 

「う゛・・・ あ・・・ 入っ・・・・・・」

 亜衣の膣内(なか)に、ずぷずぷと音をさせ、カーマの肉棒が埋まっていく。

 

「あ・・・ あ・・・」

 意思に反し、じっくりと嬲られ続けた肉体は、今となっては唯一よく知る肉棒の久しき挿入に、歓喜に打ち震えている。

 

「ほう・・・ これはこれは。身体は随分と俺のモノを待っていたらしい。

 いつもよりずっと強く咥え込んで、愛しい夫の肉棒を放したくないようだ」

 

「うう・・・ うぅうっ!」

 カーマの言葉攻めに、ぶんぶんと頭(かぶり)を振って否定するが、

 快楽を堪える表情も、痙攣している身体も、それは嘘だとわかりやすく告げていた。

 

「フフ、可愛い奴だ」

「やっ・・・ ひ、あ・・・っ!」

 

 奥まで挿入されていた状態から、ゆっくりと腰の動きが始まる。

 

「出産して味わいが増したな。包む膣肉の柔らかさ・・・

だというのに、その柔らかながら強烈に締め付けてくれるとは、素晴らしい」

 

「ひぅ・・・・ あ・・・あっ!」

 

 カーマは亜衣を淫らに誉め称えながら、段々と腰の動きを速く、強くしていく。

 そのたびに亜衣の身体は揺れ、その姿はまるで、カーマという波の中で溺れているかのよう。

 

 

(ズップ、ズップ、ズップ、ジュプッ・・・!)

 

 

「あっ・・・ あっ・・・! あっ、ふあ、あっ・・・」

 亜衣には、もはやカーマの言葉に答える余裕すらない。

 

 あらゆる女を脳の内から蕩かし、官能に染め上げていくカーマスートラ(性の起源の技)。

 いかに精神の強靭な亜衣であろうと、その男の腕の中では、蜘蛛の巣の中の蝶でしかなかった。

 

快楽の波に理性を侵され続けながら、ただひたすら

子供を抱き抱える手の力を緩めないようにするのだけで必死で、他にまでは到底気など残せない。

 

 

「く、あ・・・!! あっ・・・ あ、ふ・・・」

 

 そう、だからこそ。今この時

例えば、カーマに突き上げられるたび

亜衣の朦朧とした表情や、漏らす声には、恍惚と快楽。性交の歓びがまどろみに混じり始めている。

 

ただ犯すだけでは決して見られない表情、聞けない声。

それは、カーマの獣欲を最高潮に滾らせるに充分のものだった。

 

 

「ん、むっ・・・!?」

 その滾りのまま、カーマは嬌声で開かれた亜衣の唇を、奪う。

 

「んんっ・・・! ん〜・・・っ!」

 驚嘆と共に拒絶を示し、抵抗しようとする亜衣だったが、それも弱々しいものだった。

 

 赤ん坊を抱いているままであるが故に、手も使えなければ、大きな動きすら出来ない。

 それでも霞がかった頭で、首をや身体の全体を僅かに後ろに引いたり、口内を犯す舌から自分の舌を逃そうとするが

 

そんな亜衣の抵抗の動きですら、カーマにとっては自身を楽しませてくれるものだった。

カーマは、亜衣の事は全て把握していると証明するように、巧みに動きを先回りし、亜衣の舌を絡め盗り、愛撫し続ける。

 

 

「ぷ・・・ はっ・・・」

 ようやく唇を開放された時には、亜衣の呼吸は更に間隔が早くなっていた。

 そんな亜衣を、繫がったままより深く抱き寄せるカーマ。

 

「や・・・ も・・・ 許し・・・」

 離されたカーマの口との間に唾液の橋を作りながら、亜衣は涙目で懇願する。

 荒い呼吸と、もはや充分に回らぬ呂律で、言葉にすらなっていなかったが・・・

 

「・・・ふむ、そうだな」

 それでも亜衣の言葉が何かを、カーマは難なく理解していた。

 

「今日はこれで、ラストスパートとするか」

 そう言うと、カーマは亜衣の右肩に手を置き、体勢を変え

 

 

(グッ・・・・!)

 

 

「は・・・!? は・・・あっ!!?」

 カーマの肉棒が亜衣の中、その更に奥にまで突き入れられ、引き抜かれるギリギリまで引き、また突き入れる。

 

 この動きには、獣欲に身を任せたSEXにあるような派手なピストンや動きは無い。

だが、極端に激しさを廃したそれは、カーマならではの技巧を発揮し、亜衣の膣内のあらゆる弱い点を、確実に突く。

 

 

「あっ・・・! あっ・・・! あんっ! あ、あっ!!」

 ゆっくりだというのに信じられないほど強烈な快感を与えてくる責めに、亜衣の声は否応無く大きさを増していく。

 そしえそれと共に、快感の全てが乳房の先に集まり、どんどん熱くなり、弾け、まるで胸が爆発しそうだった。

 

「一突き一突きでもうイキそうだな」

 

「んあっ! あうっ!! あんっ!! あっ!! ああっ!!」

 

 突かれ続ける亜衣には、もはやカーマの言葉の内容さえほとんど入っていない。

 ただひたすら、手の力を抜かないように、子どもを落とさないように。それだけしか頭には残っていなかった。

 

 

 そして

 

 

「さて・・・ いくぞ・・・!」

 言うと同時に、カーマは亜衣の敏感な乳房を強く潰し握り

 とどめとばかりに、爆発寸前の化身を亜衣の奥へと、一気に打ち込む。

 

「はっ・・・ あ、ああああああああああっっっ!!!!!!!!

 

(プシュアッ──────!!!!)

 

 限界を超えたオーガズムという強烈な刺激に、それまで僅かにしか滲み出なかった亜衣の乳房から、一気に乳白色の飛沫が噴き出る。

 それと共に、完全な絶頂を迎え、ビクン、ビクン、と、陸の魚のように痙攣する、亜衣の肉体。

 

(ドプ、コプッ・・・ コポ・・・・)

 

 それと共に、カーマの獣欲の化身もまた、亜衣の膣内(なか)の最奥で爆ぜ、子宮の中に広がり満ちた。

 

 

「これはこれは・・・ また、盛大に出るようになったな」

 

 そう言って、カーマが亜衣の乳房をほんの少し持ち上げるだけで

 亜衣の乳首の先からはポタポタと、美味そうな母乳が滴り落ちている。

 

 

「あー、うー、うー」

 亜衣の腕の中の双子も、顔にかかった新たな乳の飛沫をペロと舐めとると

おいしい母乳が再び飲めることへの喜びにか、上機嫌な声を出している。

 

「はっ・・・ ぁ・・・!」

 それだけではなく、亜衣の腕の中にあった双子達は、すぐさま母乳を滴らせる乳首の先にむしゃぶりつき始めた。

 

 

「旺盛だな。ここら辺は俺に似たらしい」

 双子の母への、母乳への執着ぶりを見て、カーマは亜衣にそう囁きかける

 

「は・・・ ふ、ぁ・・・」

 カーマの囁きに、愛にこたえる力はない。

 絶頂と共に力尽きた亜衣は、半ば無意識にくたりと後ろに崩れ、カーマにもたれかかる形となる。

 

 

「・・・・・ ・・・・・・・・・」

 そして、最後まで双子をその腕に抱え、カーマの肉棒を挿入され、乳を吸われ続けている状態のまま

亜衣は・・・ 意識を失った。

 

 

「おや・・・」

 完全に意識を失い、糸の切れた人形のようになっている亜衣に、カーマはフッと笑みを漏らす。

 

「いかんな。またやりすぎたか」

 気絶した亜衣の顔を撫で、亜衣の顔と、腕の中の双子を交互に見た。

 

「・・・・・・フフ」

 何よりも美しく、あまりに強い輝きを持ち、それが故に強く、強く、ひたすらに望んだもの。

 そして、その宝と自身の結晶である、神聖と魔を併せ持つ双子。

 

 今や、全ては文字通り、カーマの手の中にある。

 幾ら穢しても輝きを失わず、淫らな艶を増していく至高の宝を愛で続ける、最高の至福。恍惚。

 

 

 しかし・・・

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

 双子は、相変わらず亜衣の母乳をおいしそうに飲み続けている。

 

「・・・・・・・しばらく、頂けそうに無いな」

 亜衣の美味そうな母乳だけは、残念ながら双子達に独占されてしまったらしい。

 

「残念だ」

 

 

 

 

 

 

  ◇    ◇    ◇    ◇    ◇    ◇    ◇    ◇    ◇    ◇    ◇    ◇

 

 

 

 

 

 

 

 えー、まあその。ちょっとしたきっかけから勢いのままに作りあげた急遽なおまけであります。

 

 亜衣の出産から、カイ達が少年少女の姿形に成長する約一年後までの間の空白期間の話ですね。

 こんな感じで、子供達をかわいがりつつカーマに毎日愛されて(?)、淫魔の家庭らしい新婚エロエロ育児ライフ(ぉぃ

 

 僕の場合どうしてもというか何故かというか、気付いたら心情描写にばっかりページを使っちゃってるんですよね。

 「いいからエロを見せてくれりゃいいんだよ〜」という方にはヤキモキさせちゃってるかも、ごめんでござる。

 

 

 

 

【専門単語説明】

 

※【妖脈】=妖怪、妖魔、淫魔に共通して存在する体内の妖力の循環路。

      人間の場合の、霊力が体内で循環する路を霊脈と呼ぶのと同じで、似て異なるもの。

      人型淫魔の場合は口、性器などを通して、性交や接吻を通し、妖力の交換、混合、吸収、送りこむ、などが可能。

      

 

【ワンポイント説明】

淫魔が性交を繰り返して強くなるのは、異なる妖力同士が組み合わさる事で、互いの妖力系統に好影響を与えるため。

巫女などは穢されると逆に力を失ったりするけど、淫魔にとっては巫女などを犯し穢すのは、その神聖の力を淫魔の望む味に穢して

美味しく頂くといった形になるので、これもまた淫魔にはパワーアップにつながるわけである。

 現在上級淫魔で、巫女の特性も未だ健在という両方オイシイ状態である孕堕の姫での亜衣は、カーマでなくても淫魔にとってはヨダレが出るほどの最上の女なのである。

 



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