淫獣聖戦 偽典 「繭地獄」 5

 あれ。どうしたんだろう。あの人に逢ってたはずなのに・・・。
 天神学園の一年生、佐倉有希子が意識を取り戻したとき、自分が白い何かに包まれていることに気づいた。
「あっ」
 何かに突き動かされて、無意識に股間に向かった手が、直接鼠径部に触れた。つまり、何も穿いていなかったのだが、有希子はそれが異常であることに気づかなかった。今度は意識的に触れてみる。ぞくっと来た。背筋を鋭い刺激が駆け上る。有希子は以前何度か自慰をしたことがあるが、こんな感じは初めてだ。
「感じ過ぎちゃう」
 やはり、初体験したからだろうか。有希子は、一ヶ月前に兄の友人の大学生に、誘われるままラブホテルに入り関係を持ってしまった。その体験はあまり芳しい物ではなかった。両人とも不慣れなため、何とか破瓜には至ったが、痛いだけで何の気持ちよさもないまま、男は果ててしまった。それ以来、なんとなく彼とは疎遠になり、性的な行為には逡巡していたのに。
「ああん。あ、あっ。うう。うん」
 自分でも驚くほど、指が蠢いていた。なんなの。どうして、こんなに気持ちいいの。有希子は、ぼうっとそう考えていた。左手は胸へ。そう何者かに命ぜられた気がした。
「お、お、んんんあぁ」
 乳首が、びんっと立ち上がっている。それを手の平で潰しながら、乳房全体を指で揉み込むと、震えが来るほどの悦楽が襲ってくる。揉む度に、胸がポンプになったように快感を送り出してくる。括り出された、乳首がこれ以上なくシコっていた。指で挟み、擂りつぶすようにすると信じられない程の快感が、脳天を突き上げる。
「はあああ、いい」
 心の枷が一つ取れた有希子は貪欲となった。右手は、怖々と陰核を鞘から露呈させた。むき出しのそこがじんじんと刺激され、そこに中指が達したとき、鋭い痛みにも似た歓喜が駆け上る。独りでに腰がグラインドしてしまう。
「あ。あ。あ。あっ。あ。あっ」
 連続したあえぎが止められない。下腹が熱くなってくる。
「はああああ」
 もっと。もっと気持ちよくなりたい。でも・・・・。怖かった。初めての性交がトラウマになったのだろう。陰唇や陰核はよいが、膣内に指を入れるのは踏ん切りが付かない。でも、でも。
 今度は女淫に指を入れるのだ。どうした、得も言われぬ快感の虜となれ。命じられた誘惑が心を鷲掴みにした。
「ああ、そんなあ、ひーーーっ」
 中指がずるっとくわえ込まれた。それだけで、有希子は絶頂に達した。全然痛くない、それどころか痺れるほど気持ちいい。それそれ、人差し指も添えるのだ。有希子は逆らえず二本にした。とば口が広がる。
「おう。うーーーーーん、ああ」
 ずしんと来る。もっと速く、指を出し入れするのじゃ。中で指を広げてみろ。
「だめ、だめ、止めて。エッチなこと言わないで。あああっ、あ、あ、あ。うん。おかしくなっちゃう」
 口では抗いながらも、有希子は言われるままに動かしてしまう。ふふふ。
「いいです。ああ、い、いっちゃう、いぐうう」
 眉間に皺を寄せ、鼻孔を一杯に開く、涎が垂れる。
 一度イクとイキっぱなしになるであろう。
「あ、だめ。足りない、まだ。イッたはずなのに。指が止まらない」
 ふふふ。
「また、また、ああん。気が、気が変になる。あっ、ひーー。イクぅううーーー」
 幾度も女淫から潮を迸らせる。昨日まで可憐という言葉が似合った少女は、今はもう淫婦に成り下がっていた。
「止まらないの、指が。あーーあ。うん」
 これぞ、繭地獄。何度でも達するが良い。
「まゆじごく・・・」



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