キャラクター紹介(五十音順)
【淫獣聖戦XYZ】
【ま行】
○松陀 剣(まつだ けん)
金髪に青い瞳、肌は黄色(おうしょく)と白の中間。いわゆる日本とアメリカのハーフ。20歳。
父と母が突然強盗によって殺されたことで孤児となり、姉と共に安倍に引き取られ戦士として育てられた。
新平安京の近くで産婦人科をやっている松陀華蓮の、6歳違いの実の弟。常に色々と苦難を歩んできた姉、華蓮の最高の味方だった。
パッと見は礼儀もなっていない上に女関係にだらしが無い軟派な若者に見えるが、中身は熱い戦士の心と優しい思い遣りの心を持った、良く出来たいい漢である。
女性関係に対しても、常に恋愛に本気だっただけなのだが、本当の意味で女性にモテる上に全ての女にいい顔をしてしまうために結局痴話喧嘩の台風の目になってしまう困った奴(皆信じてくれないが浮気はしたことがない。本当)。
普通こういうのは主人公キャラか主人公ヒロインの彼氏の特権なのだが、脇キャラが持っているのは珍しいと言える。
幼少期は、安倍に引き取られた経緯もあって、暗く気の弱い少年だった(唯一の趣味は西部劇と早撃ち)
家系重視主義の多い旧安倍で孤児はイジめられ易かった。その上で異国の血となると当然イジメの格好の標的だったが、その度に華蓮が駆けつけて助けてくれていた。剣にとってそんな姉は太陽より眩しい憧れの存在で、今もそれは変わっていない。
一言でいってしまえば、かなりのシスコン。
安倍のスパルタ指導と姉の愛情の二つに支えられ、剣は力を付けていくと共に、仁や竜といった親友を得て成長していく。
そこからめきめきと力をつけ、剣術と【斬鬼】の才能を発揮。二刀流の剣士となり、瞬間抜刀の居合いを達人レベルまで昇華。
更にその上、俊足にして瞬速の踏み込みによる最大10mまでの居合い斬り、【10mの居合い】を習得。
その見事な居合いを、本人は西部劇やリボルバー拳銃への愛着から敢えて【クイックドロウ(早撃ち)】と命名。
最大6体までを霊力の込められた斬撃で一瞬にて斬り捨てる彼にとっての最強技は、早撃ち好きからしては有名な銃、スタームルガーブラックホークから【ブラックホーク・ドロウ】と名付けた。
そして自身には【疾討ちの貴公子】という超ダッサい通り名を名乗っている内に、安倍内部でもそれが定着した。
そんなに西部劇や拳銃が好きなら武器もリボルバー拳銃にしろという話だが、残念な事に当時の安倍には拳銃を武器とする人間がおらず(風螺華は後に霊子加工による銃器戦闘を完全実用化した瀬馬家の孫娘だからこその唯一の例外)何より剣自身、名前のせいかどうかは知らないが、下手の横好きを通り越して致命的までに狙いがムチャクチャであることが理由である。
そんなこんなで活躍している内に、実力主義の逢魔の中で、戦士としての位も上がっていく。
姉が不動の武神装女になった数日後には、逢魔の100人隊長にまで出世した。
当時の彼の戦績からすればそれでも低すぎるのだが、これは当時の左隊長が剣を思いっきり差別していたからで、それからも嫌がらせは続くのだが、強く成長しイジメ慣れしていた剣はさらっと上手くそれを避わしていた。
そんな剣が唯一左隊長にブチギレて殴りかかったのは、異形の仔と共に安倍を出て行った華蓮の事を、剣の目の前でパー女だの何のとクソミソにけなし笑った時。
唯一の家族として深く愛している姉への侮辱に、剣は左隊長を殺しかねん程の勢いだったが、その場にいた仁が全身で剣を止める。
仁が二人をそれぞれに制したことでその場は収まったが、剣はいつか姉を侮辱した左隊長と決着を付けることを胸に誓ったのだった。
それが現実となるのは安倍革命の日。
新勢力側についた剣は左隊長に正当な挑戦状を送るが、なんと左隊長の方は、挑戦状を受け取りもせずに逃げたのだった。
勿論戦士としては最大級の恥だが、剣はそれを知った瞬間に全力疾走で追いかけ、発見早々これでもかというほどボコボコにした。
革命後、空いた左隊長の座は桔梗姫と仁、右隊長(彼は善人)の間での相談の結果、剣以外に適任者無しと判断。
こうして晴れて剣は逢魔全部隊の左隊長となるのであった。
ちなみに現在、彼女と交際中。しかし祖父の妨害がとんでもなく、彼女もマジメなのでキスもできていない。
【孕堕の姫】
○松陀 華蓮(まつだ かれん)
アメリカ人男性の父と日本女性の母との間に生まれたが、20年前強盗に父母を殺され、弟の剣と共に孤児となった悲運の少女。
そういう意味では那緒や小百合の先輩。
そういった過去から、華蓮は何も罪を犯していない存在を一方的な暴力で殺すという行為に対して真っ向から立ち向かう人間になった。
明奈の先代に当たる初代【不動】の武神装女であり。後輩である明奈は華蓮を尊敬していた。
金髪のロングヘアに青い瞳、逞しくも整った体つきと、ハーフ故の白桃色の肌という美貌が彼女の特徴。26歳。
一人称【ボク】のボクっ娘。それだけでなく口調自身が少年そのもの。少女時代なら【ボーイッシュ】で定義できたのだろうが、26になった今としては【少年口調の女性】と言うべきなのかどうなのか。
十一年前から華蓮は【グリード】という札付きの極悪且つ変態なワータイガーの西洋淫魔に【絶対に手に入れてやる】と目を付けられ、それから二年の間華蓮はグリードと戦い続けた。
不動の武神装女の時の彼女の力はグリードと拮抗していたが、それでも彼女が2年もの戦いで一度も敗れなかったのは、華蓮の強い意志の力。彼女には何度かグリードを始末できるチャンスがあったが、その頃の華蓮は【言葉が通じるのなら、いずれ淫魔とも共に生きられる日が来る】と信じていたからこそ、遇えて止めを刺さなかった。
華蓮がその理想の甘さを深く知る事になったのは、一般人である華蓮の親友がグリードによってあっけなく殺された日。
ブチギレた華蓮は、冷静さを欠いたままグリードがわざと残した痕跡を辿って単身鬼獣淫界へ飛び、グリードのアジトに乗り込むが、当然のことそれはグリードが仕掛けた罠で、華蓮はまんまと部屋一杯に充満していた催眠ガスを吸い込み、意識を失う。
華蓮が意識を失っている間、グリードは華蓮の衣服を剥ぎ取り、武神剛杵を取り上げると、華蓮の肉体の改造にかかる。
肉体改造により、華蓮の子宮は異形の精を受けると確実に孕み、常識を超えた早さで出産に至るというふざけた体にされてしまった。
その直後にグリードに犯され処女を失い、親友の仇の仔を身篭らされ、その上で毎日のように犯され続けるという地獄の日々を過ごす。
その数週間後、居場所を突き止めた逢魔宗源によってグリードは倒され華蓮は救出されるが、その頃には既に華蓮はその腹にグリードの仔を宿し、双子の異形の仔を産んだ後だった。
宗源は生まれて間もない異形の子を仕留めようとするが、華蓮は赤子の泣き声を聞くや否や、身を挺して子を庇う。
かつて幼い頃、強盗に襲われ父母を殺され、赤子だった剣と自分さえも殺されていたかも知れない過去の記憶から、何もしていないのに一方的に命が奪われる事が何より許せないという想いと、望まぬ形とはいえ己の腹に宿し生まれた人でない子に対し生まれた母性。
敢えて言うならその二つが、華蓮が子供を庇った理由。
華蓮のその姿を見て宗源もそれ以上をする気にはなれず、安倍へと彼女らを運んだ。
異形の仔の母となって帰って来た華蓮に対し、旧安倍は妖異形(あやかしいぎょう)の仔の存在を許さず浄化を命じる。
だが、華蓮は断固としてそれを拒否した。
孤児として生きてきた華蓮は、どんな形であれこの身に宿し、産んだたからには自分の子。それが淫魔であろうと何であろうと、【命】であるなら、それを消そうとするのは間違いだと主張したのである。
そんな華蓮の主張を【狂気の沙汰】と判断した旧安倍に対し、華蓮は武神剛杵を叩き付けて返し、双子だけを抱き安倍から出て行った。
その後華蓮は、それぞれ双子に波夢、美茶亜と名付け、育児に専念した上で全身全霊の愛をもって育てた。
結果として、波夢も美茶亜も虎人の本能や習性という悩みどころはありつつ、父からは考えられないほど素直でいい子に育ち、華蓮自身も知らぬ内に二人に支えられるようになっていく(亜衣に対して【子供はきっと君を助けてくれる】と言ったのは、そういう経験から)
一時は戦いから退いてはいたが、それでも己の霊能力が淫魔を知覚し、そしてそれに襲われる人をどうしても見過ごす事が出来なかった華蓮は、孤独な戦いを始める。だがしかし、それは彼女を地獄に追いやるものでしかなかった。
安倍のサポートもなく、そして改造された肉体のお陰で。淫魔に負け、犯されてしまえば確実にその淫魔の仔を孕んでしまうわけである.華蓮はその現実に苦しみ悩みながら、それでも戦い・・・ そしてやはり、華蓮の【父親のいない子】は増えていった。
そんな戦いの日々の中、華蓮は人との共存を目指す人狼(ワーウルフ)族の青年、ウルと出会う。
ウルは華蓮に想いを寄せ、華蓮も生まれて初めて恋をし、やがて種族の違いを乗り越え結婚。子供達には初めて父親が出来た。
同じくして、ウルと華蓮の間にも子供が誕生。しかしその辺りから華蓮の肉体には異常が出始める。
人狼族の医者に診断を受けた結果判明したのは、淫魔に改造を受けたまま戦い続け、多くの異形の子を孕んだ肉体はもはや限界が近く、もう一度でも無茶をさせれば、霊力者としての命である霊脈は断裂し二度と霊能力は使えなくなるし、そうなると霊脈と繫がる改造子宮も完全に破壊され、子を宿す機能を永遠に失うと診断された。
華蓮は悩み続けたが、後輩の明奈が任務で窮地に陥ったのを知るとその場で明奈を助けに向かう。
淫魔が華蓮から奪い捨てた不動の武神剛杵を奪うと、数年ぶりに最後の武神装所への変身。
彼女の炎の型である不死鳥の炎で敵淫魔のボスを消し炭にし、明奈を救した。
だが、その戦いで遂に肉体の限界を迎えた華蓮は、霊力を完全に失い(子宮の機能も壊れ)戦士としての人生を終えた。
その後は妖関連専門の産婦人科医を開業。
これまでの安倍が行わなかった、妖と人間の恋愛の果てに預かる命や、或いは最初の華蓮のような決意をした女性の仔を無事に生誕させる手伝いをしている。しかし中にはその子供どころか事実自体を受け入れられぬ女性も当然おり、そういった女性達に対しては本人の了解を受けた上で記憶を消去し、拒否された異形の仔は自分の子として引き取っている。
人の世界には溶け込むことが出来ない異形の仔が、母と共に生活するその場所は、今では【カレンズホーム】と呼ばれている。
長い間、安倍も天津も、全ての退魔、人が実現することが出来なかった【魔との協和】。
彼女とウルは、それを最初に実現した【偉人】であり、【英雄】と言える。
華蓮の人生は女として余りにも苦難の連続だったが、本人は人ではない夫とたくさんの人ではない子供に囲まれた緩やかな日々を最高の幸せだと笑って話している。
今の安倍には、一定の年齢まで達した若手の女戦士に対し、カレンズホームに行き華蓮に会い話をすることが義務付けられている。
彼女の話を聞いた上で、改めて退魔の戦士として戦う覚悟を定めてもらいたいという、桔梗姫と華蓮共通の考えで。
おかげで戦士全員の戦闘が強制であった旧安倍とは違い、この通過儀礼のあとに大概が臆してバックアップか安倍屋敷の使用人へのシフトを希望してしまうため、前線で戦う女戦士が比較して半分以下になってしまったが、旧安倍の頃の間違いを犯すよりはずっといいというのが双方共通の意見。
彼女の存在は、亜衣達、淫魔と戦い続ける戦士達の数ある【結末】の一つの可能性。
孕堕の姫では実際に亜衣が華蓮ととても似た道を辿っており、力を失った産婦人科医として登場した華蓮は飄々とした仙人的な立ち居地で、亜衣のお産を担当した後、カーマに意味深な言葉を投げかけ姿を消す。
どんな経緯があっても依頼を受ければ助産をするという姿勢は、罪のないありとあらゆる命を祝福する、華蓮らしい信念の極致。
無闇に亜衣をその場で救おうと躍起にならないのも、当時と比べて自分の出来ることと出来ないことを理解しているからこそ。
ただその先には、地上界へ飛んだカイ達に、ウル、パム、ミーティアが力になったりという展開もあったとか。
あとはここだけの話、松陀家はXYZ後日譚にも登場予定だけはある。
○松陀 波夢(マツダ・パム)
人間姿の時は美形の金髪で青い瞳のアメリカ系ハーフ少年。虎人姿もけっこう可愛らしくて恰好いい。
しかし万年サカリがついたような所があり、はっきり言うと鬼麿みたいに女に飛びつく時もあったりする。
尤も彼の場合は淫魔の本能で、母の言いつけを守ってなるべく抑えるようにしている(他に爪を研いだりと猫科の習性、本能あり)
孕堕の姫では、いきなり初対面の亜衣のお腹を触ったり質問したりするなど、子供ならではの常識や空気を読めない所もある。
実は、戦闘でも結構使える(カイよりは弱いが
○松陀 美茶亜(マツダ・ミーティア)
人間時の姿は同じく金髪で青い瞳の、本当に人形の様な美少女。
無口な上に性格は全くの猫型で、気に入らない人間には顔もひっかけないが、その逆に行為を抱いた相手には自分から擦り寄っていく。
パムよりも獣の因子が少なく、虎人姿も虎耳とキバとシッポとツメ以外は人間姿時と変わらない。
一度街中で本当の姿を晒してしまった事があるのだが、秋葉原だった為事無きを得た(その代わり激萌え虎少女として有名に
活発でそこら中を走り回るパムとは違い、ミーティアはいつも華蓮の左にずっとくっついている。
パムほどではないが、ごくたまに発情期になってしまうので華蓮としても悩み所。
最近は虎の華というショップのマスコットキャラとして売り上げに貢献。給料代わりの色々な物資を貰って松陀家の家計を助けている。