淫獣聖戦 偽典 「繭地獄」 13 |
奥の院に戻った亜衣は、麻衣の隣の柱に縛り付けられた。黒玉法師に縛られたことがふと脳裏を過ぎる。全身を苛んだ痒みがようやく去ったが、動悸は相変わらず激しい。 「むーっ、むーうぅ」 麻衣が何かを訴えつつ、しきりに身悶えしている。太股を擦り付け合いながら。女淫からぬらと汁を垂らす様子は、完全に色狂いだ。 「どうした」 葛太夫は、猿轡を外してやった。 「はあぁぁっ。だめっ。あ、あそこが、あそこが燃える」 麻衣は惑乱している。 「あそことは、どこのことだ」 「いっ、言えない」 「それならば、このままだな」 「待って、あそこ。あそこでわかるでしょ。このままだと気が狂っちゃう。何とかして、お願いします」 麻衣は半狂乱で叫ぶ。 「では、痒いところを振ってみよ、男を誘うようにな」 「そんな」 口で拒絶したものの、何の反応も示さない太夫に危機感を感じてか、ゆっくりと腰が揺れ出した。太夫はややにやけたものの、手は下さない。焦れてきた麻衣は徐々に大きく、腰を振り出した。はあはあと喘ぎながら、やがて股を開き、見せつけるように、何度も突きだした。 「麻衣。やめなさい」 亜衣の声は、既に麻衣には届かない。 「ここです。お願いします。ひりひりして、どうしようもないんです。お願いします」 愛液のしぶきを飛び散らせながら、麻衣は懇願する。そんな麻衣の堕ちた姿を見ていた亜衣にも発作が来た。まずは、そこが充血してきた。陰核が包皮を持ち上げ、外気に触れる。そのとき、ずきっと来た。 「ふふふ。おお、その腰つき。なんと淫らな。くわえ込まれれば、歴戦の勇士も一溜まりもあるまい。そうだ。麻衣、ここに良い物がある」 差し出された手には、蛤があったが、紙で封をしているところ見ると、古式ゆかしく薬が入っているようだ。それを取り除くと二枚貝を開いた、うっすらと青みがかった白の軟膏が見える。 「これを女淫に塗れば、その疼きが紛らわせるぞ」 「だめっ、麻衣。罠よ。そうに違いないわ」 「ごめん、おねえちゃん。罠かも知れない。だけど・・・もっ、もうだめなの。くふぅ・・・。お願いします。塗って下さい」 ふふふ。 葛太夫は、わずかに軟膏を指に掬い取ると、股間に近づけてゆく。亜衣は、思わず顔を背けた。 「塗って良いんだな」 「はっ、早く、早く塗って、あああぁぁっ」 太夫は、まず大陰唇に軟膏をまぶした。微妙に内側に沁みてくるが、それ以上は中に塗り込もうとせず、舟形の縁と太股に指をそよがせる。 「あはぁん。ひぃん」 花弁の外側の快感と、内側の切迫感の二律背反が麻衣を狂わせていた。平時の淑やかさをかなぐり捨ててはいたが、次の懇願をする勇気を捻り出すのに一分掛かった。 「ああっ、中も塗って。中も、お願いします」 「ふん、良いだろう。では股をもっと大きく開け」 「はい」 麻衣は意を決して、左脚をおずおずと持ち上げた。 「もっと高く」 秘めるべき陰部が、徐々に露わとなってくる。もはや覆い隠す叢もなく、全てがあからさまだ。そこは自らが分泌した蜜と、塗りつけた軟膏でてらてらとぬめる。ぴんと持ち上がった牝芯が剥き出しだ。まだ無垢とも見える淫唇はやや充血し、片脚を持ち上げたことで引き吊れ、わずかに鮮紅色のとば口が綻んでる。 葛太夫は、そこに両手の指を掛け、ぐいと広げた。 「ひゃあっああん」 そこが外気に触れた麻衣は、思わず声を漏らす。 「ふん、女子高生とは思えぬ、爛れた色だな」 葛太夫は、わざと逆を言う。ううぅっ。麻衣は屈辱を押し殺す。今は塗って貰うことが先決だ。そのためには、何を言われても耐えねば。太夫は、開いた肉壺を覗き込んだ。柔らかそうな肉襞が、艶々とぬめ光りながら、ひくりひくりと蠢く。何も塗っていない中指を差し込む。 「ああん」 指は何の抵抗もなく吸い込まれた。きゅっととば口が閉まり、なかへなかへと引き込もうと襞が震い付く。 「ふふふ、入ったということは、噂の護符とやらも溶けてしまったか。なかなかの名器じゃな。では塗ってやろう」 左手の指をV字に広げ蜜壺を寛げる。そこへ軟膏を掬い取った右人差し指を一息に突っ込む。 「ひいぃーーーっ。はぁん。あぁん、はあぁっ。くふぅーん」 その瞬間、麻衣は、ぐっと伸び上がりながら、女啼きを轟かした。そしてがっくりとうなだれる。余りの激感に絶頂を迎えてしまったのだろう。 「麻衣」 心配する亜衣も、実は切羽詰まっていた。太股を擦り合わせて何とか耐えているが、限界は近い。 「なんだ、おまえも塗って欲しいのか」 太夫は亜衣を振り返る。 「馬鹿な」 「ふふふ。何時まで耐えられるかな。その疼きは、この薬を塗るか、男の精を受けねば治まらぬぞ」 亜衣は、きっと睨み付けたが、つい太夫の男根を眼で追ってしまう。それを恥じて、顔を背けた。 「なんだ、これで突いて欲しかったのか」 太夫は雄渾なモノを扱いてみせる。 「ふざけるな、けがわらしい」 「そうかぁ。初めの女は一五分、二番目の女は二〇分、放って置いたら。気が狂ったようだがな」 「貴様・・・」 葛太夫は、亜衣に向かって歩を進める。 「教えてやろう。繭地獄は、繭を抜け出ても続く。いや、抜け出た後こそが真骨頂なのだ。ふふふ、ははは・・・」 太夫は亜衣の前で止まると、太股の間に手を差し入れる。 「触るな。頼んではおらぬ」 「業の強い女じゃ。狂った女を抱いても興が乗らぬし、大王様に恨まれかねん。素直に女淫を見せよ」 股の締め付けは、緩まない。 「んっ、ぐぅああぁっ」 亜衣は右乳首を捻りつぶされた激痛で、思わず呻いた。その一瞬の隙に、太夫は股をこじ開ける。意図を悟った亜衣は再び力を込めるが間一髪遅れ、太夫に体を割り込まれしまった。 「手間を掛けさせおって」 太夫は髪触手を一本引き抜くと、持ち上げた右膝を腕の緊縛に結わえ付ける。片脚で全体重を支えることになった亜衣は、左足も動かせなくなった。太夫はそこにしゃがみ込んだ。幾分ほころびかけた麻衣の女淫と比べて、随分慎ましやかだ。愛液の分泌も少ない。汚れなき少女のわれめと強弁できるだろう。 「ほほう。姉妹でも、ここの色形は違うようだ。おまえはだいぶ上付きだな、業の強い女の典型だ」 生まれてこの方、秘めてきたところを、しげしげと敵に覗き込まれ、あまつさえ、妹と比べれられるのは、顔から火が出るほどに恥ずかしい。 「妹よりも蜜壺は小作り、陰核も小振り」 「ひっ」 弾かれて溢れた悲鳴を、瞬時に抑える。 「中はどうだ」 強引に開くと、ぐっと亜衣が呻きを噛み殺す。そこは蜜を一杯に溜め込み、きらきらと照り返した。朱鷺色の膣前庭は、思わず口を付け啜りたくなる煌びやかさだ。しかし。 「なんだ、この色は」 「えっ」 「流石は男漁りに精を出すだけあって、淫水焼けしてドドメ色になっておるわ」 「そ、そんな・・・。嘘だ、嘘に決まってる・・・うぅうん。あはあぁあ」 太夫は、指を肉壺にゆっくりと埋没させ始めた。 「やめろ」 亜衣は、歯を食い縛って、括約筋に力を入れた。 「ほう。良く締まるな。姉の方は巾着かあ。なかなか良いぞ。もっと締めて見よ」 「はぁ、早く抜け」 声にビブラートが掛かる。太夫は、中で指を曲げ。あちこち、やわやわと撫で付ける。感じるポイントを探っているのだ。とば口から一寸半、前壁の襞の奥をやや強めに押した時。 「あぁっ、くぅふぅん」 「ほう、Gスポットか」 そこを集中的に攻める。 「やめろ・・・・・・やめてっ」 亜衣は何かが迸りそうになって、つい女言葉になってしまう。ふふふ。太夫は鼻で笑うと、手の動きを速めた。 「やっ、ああ、いやっ。だめえ。あはぁ。うわぁ。だめなの、ふわあぁああん、うふぅ、あひあぁああーーーっ」 亜衣は淫阜を幾度か突き出し、盛大に潮を吹いて果てた。 「ふふふ」 太夫は、うなだれた首を持ち上げ、ビンタを呉れて亜衣に渇を入れる。数十秒も放って置くと、亜衣はさっきイッたばかりなのに、腰をふるふると蠢かし、はあっはあと息を荒げている。そこが充血し、さらに女淫の疼きが増幅され、気も狂わんばかりだ。並の女なら、既に気を変にしていることだろう。 「どうだ、欲しいか」 「ごくっ」 亜衣は生唾を飲み込む。軟膏を掬い取り、待ちに待った膣口に塗り込めた。 「ひぃぃーーーー」 爽快感が、疼きに取って代わり、顔の表情が弛緩してゆく。 「あーあっああぁ。はあぁー」 しとどに愛蜜を漏らした亜衣は、再び絶頂に達した。 |