【 亜衣・淫夢編 】

「カッカッカアアあァァッ!!! 見たか 者共ぉ。 天女だ、軍神だのと 偉そうに嘘吹いておったオンナの、哀れな真の姿をォぉォォ!! はっはっはっはっはァ!!!」

触手に肛華を吸い嬲られ、無理矢理 蛭子を吸い取られながら絶頂した羽衣軍神を見下ろし 鬼が嗤う。
白目を剥き 涎を垂らして痙攣する亜衣の無惨な姿は、普段の少女の凛々しさを知る者にとって 信じられないような光景だった。
もはや意識を失くしている天女の尻には、いまだに半透明の触手がベタリと吸着し 長い舌でもって、囚われの巫女戦士の肛腔内を舐め犯していた。
内容物をムリヤリ吸い奪われた肛壁を舐めしゃぶられ、肉ヒダの一枚 一枚にいたるまで丹念に ねぶり抜かれ、気絶しているハズの美少女の腰が 悩ましく跳ね踊る。

潮まで吹き出して 肛悦を貪る敗北天女の痴態に、淫界中の邪鬼 妖鬼の目線が釘付けになり、熱狂のボルテージを 更に上げてゆく。

刹那、

ピュゥゥゥゥゥゥ… ザシッ!!! 「おおぉっっ!!?」

突然 天空を裂いて現れた赤い流星が、俄に羽衣天女と化して 壇上の鬼夜叉童子に斬りつける。

斬りつけられ 深々と片目をエグられた魔巨人が、大きくのけ反り 恐ろしい大絶叫をあげた。
亜衣の痴態に目を奪われ、全員が全員とも真上から落下して来る麻衣に気付かない中、咄嗟に半歩 身を捻ねり、致命の一撃を ただの重傷に留めたのは、流石と言えたかも知れない。

絶叫をあげ 数歩後退する巨魔を尻目に、突然の闖入者は 姉巫女の呪縄を断ち斬り 肩へ担ぎあげる。
躊躇も無く 祭壇から飛び降りた巫女軍神は、舞台を取り巻く無数の邪鬼のただ中へと 舞い降り立つ。

半裸の亜衣を抱えた紅の飛天女は まだ茫然と立ち尽くす邪鬼たちの間を疾走する。
人ひとり 抱えながらでは上手く飛べないのか、それとも隙を見せない為か、邪鬼の間を疾走する巫女軍神は 片手に持った小刀を振りかざし 行く手の邪鬼を斬り伏せながら、妖魔の海を斬り拓いて行く。

気を取り直した邪鬼たちが やっと包囲網を敷き直し、闖入者を取り囲もうと動きだした頃には、麻衣たちは 祭壇周囲の妖魔の大海の 末端近くにまで到達していた。

いつもの薙刀ではなく 小刀を携えた麻衣はさすがに疲弊し、亜衣を抱えた肩も荒く上下している。
あと少しだけ進めば妖魔の包囲網も途切れるのだが、人ひとり抱えながらの突撃では 奇襲効果が切れると中々先へは進めない。

緊迫した空気の睨み合いが続く中、突如 麻衣が構えを解き、小刀を放り捨てる。
完全に虚を突かれた妖魔たちは 動きを止め、数を頼みに飛び掛かる事も 一瞬忘れ去る。
空いた片手を高々と天に掲げる聖天女の凛とした動きは、まるで一枚の絵画のようであり、取り囲んだ邪鬼たちも 息を呑み 思わず動きを止め その美しさに魅入ってしまう。

その刹那、包囲網の外側から長大な薙刀が回転しながら飛来し、風車の如く 邪鬼たちを斬り倒した。

「麻衣さまぁ〜!! こっちぞなもし!!」

不意討ちに乱れた包囲網を 受け取った薙刀で突破し、姉を担いだ妹巫女が疾走する。
邪鬼たちは追い縋るが、麻衣,木偶の坊以外にも数人の天神子守衆の姿が見える。

声を掛ける暇すら無く 脱兎の如く疾走する彼等の逃走を、さして素早くもない邪鬼たちだけの軍勢で 阻止するのは難しく思えた。


数分後…、祭りの後の祭壇上で片目を押さえて 膝を付く鬼夜叉童子に、亜衣たちの逃走を告げた 不幸な邪鬼が 頭を握り潰される。

「クソッ!! おのれ 天津 麻衣めぇっっ!!! ……だが、しかし………… 」




所 変わって 現世。 天津神社。
社の奥の 社務所の一室に、憔悴し切った状態で 同じ顔をした二人の美少女が 枕を並べて床に臥せっている。
悪夢の宴より 丸三日、凌辱を受けた亜衣は未だ目覚めず 不眠不休で付きっきりの看病をしていた麻衣もまた、今朝方 ついに力尽き 床に臥せった。

「亜衣さま、麻衣さま……」

二人の寝顔を覗き込みながら、心配そうにつぶやく木偶の坊の声が 虚しく 空へと染み渡り 薄れて消える……

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…………………


……


ジュプぅ!ごキュ! ゾプっ!ゴプ!! ゴキュヂュぷププぅウウウウッ!!!!
「あギぃいいいいいいいいッ!!! ひンッ!! はヒィ!! おあぁあアああぁああアああああァあッッ!!!!」

「………… ………………こ………………ここは?…………」

麻衣が目覚めたのは 何故か天津神社の中ではなく、脱出したハズの鬼獣淫界だった。
気が付けば自分は羽衣姿で、目の前では 亜衣が気味の悪い生き物に身体中を蹂躙されている。

頭で考えるよりも先に、姉の危機に体が反応し、羽衣を飛翔させ 一足飛びに触手生物へと斬り掛かる。

ザッ! 「 っっ!!? な!? 」

薙刀を振りかぶって飛翔した麻衣だが、予想に反し 羽衣の霊力はまったく発動せず、跳躍は 目標まで半分も届かない 間抜けな小ジャンプと化した。

シュル シュル シュルルルるルル……

「 っっ!! てやぁああああッ!!!」 ガキィイイイイン!! 「えぇっ!? きゃああアア!!!」

自ら飛び込んで来た獲物に対し、化け物は 嬉々として触手を送り込んで来る。
不気味な生物の触腕を斬り落とすべく 羽衣軍神の薙刀が一閃し、 …そして 簡単に弾き返される。

( 「 そ、そんなッ!! 通力が…、 まるで発動しないッ!!?」 )

無数の触手に 手足を絡め取られ、一瞬にして身体の自由を奪われてしまう。
何とか おぞましい触手の群れから脱出しようとモガくが、やはり神霊衣の霊力は発動の兆しを見せず 乙女の細腕は簡単に抑え込まれてしまった。

「うぁああああッ!! クっ! 放せぇえええええッ!!!」

ぐるぐる巻きに縛られ囚われた麻衣が、触手生物の本体の方へと引き寄せられる。
灰色をベースに 紫、緑、濁った赤黒等の色彩を各所に散りばめた グロ生物は、『 巨大な肉塊に触手を適当に生やしただけ 』といった風情の、目鼻も口も存在しない不気味な生き物だった。

牛ほどもある巨大な本体の上に、跨らせた状態で手足を拘束され 身体中を触手にまさぐられ 亜衣が泣き叫んでいる。

ジュグ!ズプ ズグ!! ぐチュ!ムギュヌギュウウ!! グリグリぃィぃぃ!!! ヌちゅググググググ……
「うあァあああアああぁああアああぁあアあァあああァァ!!!! 止めッ! イヤぁ!! そこダメぇえええええええええええッ!!!!!」
「……ぉ…お姉ちゃん!……… …酷い……」

蒼の天女は神霊衣を そこかしこで破かれ、身体中に巻きつかれた触手によって 胸も 耳も ヘソも 脚も、全身を舐めたくられ 悶えまくっていた。
乙女の秘所を覆う神霊衣は無惨にも引き破られ、特に野太い触手が二本、亜衣の秘穴を 思うさま蹂躙している。

鬼獣淫界との戦いで、いつも最後まで麻衣を励まし 魔悦に墮ちる事を頑くな拒んでいた凛々しい姉の姿は、そこには無かった。
今の亜衣は前も 後ろも 全てを穢され 蹂躙され、ただ無力に泣きじゃくる被害者の女の子たちと まったく同じだった。

「 っっッっっっッ!!!! 」 驚愕と絶望とが、妹巫女の心を急速に黒く染めて行く。
いつも強かった姉が…、率先し戦い どんな淫辱にも屈しなかった姉が…、麻衣を励まし いつも支えてくれた最愛の姉が……、 目の前で凌辱され 弱々しく泣き叫んでいる。

信じられない思いと、ドス黒い怒りとが腹腔内でグチョグチョに混ざり合い、混乱と絶望をエッセンスに 全く未知の感情として己の内面を一色に塗り潰してゆく……




気が付けば麻衣は、獣のような雄叫びをあげ 纏わり付いた触手に爪を立て無理矢理に引き裂いていた。
自分のあげた凄絶な叫びが、何処か遠くで 遠雷のように響いている。
薙刀は奪い取られ、触手によって ヘシ折られてしまっていたが、そんな事は関係が無かった。
例え素手でも、羽衣が無くとも、全身の骨が砕けようとも…

『 殺すッ! 絶対に殺す!! 八つ裂きにして殺す!!! 一片残らず 殺し尽くすッッ!!!!! 』

滝のような涙を流す美少女の口から溢れるのは、全く意味を為さない野獣の吠吼だった。
しかし、その裏に含まれた圧倒的なまでの殺意が、見えざる奔流として絶叫と共に溢れ出し 淫界の闇を 更にドス黒く染めあげていた。

バシィ!!

素手のまま 触手を引き千切った紅の巫女戦士に、十重二十重に新手の触手がまとわりつく。
怒れる暴走巫女は単純な腕力で 強引に包囲網に空間を作り、再び締まるまでのひと刹那の間に 隙間から跳び抜ける。

「うおぉおおおおおおおおおおおおッ!!!」

獣のような姿勢で突進し、右腕を槍と化して 妖魔に突っ込む麻衣の目の前に、いきなり楯代わりに 亜衣の肢体が突き出された。

ビタァッッッ!!!!

怒りに狂った紅巫女の貫き手がギリギリで停止し、動きを止めた一瞬を狙った触手の群れが 再び麻衣の身を巻き縛る。

「おオおぉおおおオおおおおおォ!!!!」
抵抗を止めずに暴れまくる麻衣の背を、ムチのような触手が鋭く叩く。 普段なら下等な妖魔の攻撃など 問題無く弾き返すハズの天神の聖衣が、凶鞭の一撃にアッサリと裂き破かれる。

「待ってェ!! 麻衣には手を出さないでッ!!!」
瀕死だった亜衣が叫ぶと 次弾を振りかぶっていた触手の動きが ピタリと止まる。
骨も折れよとばかりに 締め付けていた触手の拘束圧も、麻衣の動きを制限する程度のモノに 若干軽減される。

( フーーーッ!! フーーーーーーーーーッ!! ……お……姉ちゃ…ん……。 ……………?… )
ボロボロの姉の叫びが、怒りの囚われた妹巫女の精神に 僅かな理性の灯を点す。
姉巫女の哀願を聞き届けてくれたかのように見えた触手だが、亜衣本人への凌辱は依然として まるで呵責が無かった。
再び 蠕動しだした二本の触手は、亜衣の秘肉を容赦無くエグり貫き、長大なピストン運動と共に 聖なる巫女のヒダ壁を 根本までコソぎ抜く。

「ふガぁああアぁあアああぁあアあァああアぁあああアぁアアアア!!!!」
「っっっ!!!」

再び暴れようとする麻衣に 再度触手鞭が大きく振りかぶられるが、亜衣が泣き叫びながらも首を振ると凶鞭が萎れるように 打撃態勢を解く。

「…ま………麻…衣ィ……… ……ご………ゴ…べン…ね…………わたひ……私ぃ…穢ひゃれ…ひゃった…の…………」
「っっっ!!!」

泣きながら こちらに謝罪する姉の姿を見て、妹は唐突に全てを悟った。

「お姉ちゃん しっかりしてッ!! ココは現実なんかじゃない! 理屈は分からないけど、お姉ちゃん自身の夢の世界だよッ!!」
「ゆ、夢!?」

「そう! お姉ちゃんは淫界のヤツ等に捕まって酷い辱めを受けた…だけど、私と木偶の坊さん達とで助け出したの!!
その後、看病したから 私は知ってる。 お姉ちゃんの梅の護符は剥がされてなかった!! たくさんたくさんヒドい目に遭わされたけれども、お姉ちゃん抵抗して 最後の最後まで諦めなかった!!負けなかった!!!」
「…わたひィ…… ……私ぃィ………」

ヂュグ ゴぎゅ!! ヂゅプ!ヌプ!! キュズゾゾゾゾゾゾぞゾ………
「ンあぁあああああああッ!! しゅッて!吸ゅッへるゥううううううぅゥゥゥ!!!!」
『 クックック!! 一度 快楽に墮ちた身で、希望に縋るなぞ 愚かな真似を…。 ほぉれ!思い出せ!!己が身に宿る欲悦の凄まじさ、浅ましさをなぁァァ!!!!』

ゴきゅ!ヂョプ ゾプ!!キュ キュ キュッ!!!
「あ゛゛〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!!!!!」
「お姉ちゃん! お姉ちゃん、しっかりっっ!! 幻よ!負けちゃダメぇえええ!!!」

目の前の肉塊のモノであろう思念が、空間を渡り 頭の中に流れ込んで来る。
麻衣に語り掛けると言うより、コレこそが この魔物の「声」であり、魔物の思考は 本人の意思に係わらず 周囲の空間に勝手に撒き漏らされる……、 そんな感じだった。

『……幻か。 そうかも知れぬ。 確かに我は夢の住人。肉持たぬ 虚夢の幻影……
しかし、この悦楽はどうじゃ!? この愉悦こそ、間違い無く 貴様の身に宿る淫悦の記憶ぞっ!!! これも幻影かぁァ、 んン゛〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!!?』
「ふゥあ゛あアあああぁああ゛あアぁああアあ゛アアア!!! ダメぇええッ!!ソレ だめぇええエええええええッ!!!!」

亜衣の内部へと潜り込む淫蛇の動きが極端に活発化する。
どうやら この淫魔は亜衣の精神に寄生し、内側から凌辱の記憶や感覚を操作して 与えられた刺激を再現しているらしい。
自分が気付けなかった三日間、亜衣がこの魔物に 精神世界で嬲られ続けていたかと思うと断腸の念に駆られた。

「貴っっ様ぁ〜〜〜ッ!!! ゆ、許さない!! 絶対に許さないィぃぃ!!!」
『ふふン!何を怒っておる? ヌシの言う通り、 「コレ」は幻影よ。 この女自身の持つ記憶をなぞっておるだけに過ぎん。 実際には指一本 触れてはおらぬぞ?』

「うっっさい!!! 哀しい記憶を勝手に掘り起こして、何もしてない!? フザけるなぁアア!!!!」
『あれが哀しみの記憶に浸っておる顔か? お前の姉が どう感じておるか、見て分からぬかぁ!?』

「あヒィいいッ!!はひィいイいいぃィぃぃ!!? ダメぇええええええッ!! そこぉッ!!そこ ダメなろぉオおオオォオオぉオオオ!!!!」
波うち 蠕動する凶蛇を見ても、少女の体内で どのような極辱の嵐が繰り広げられているのかは 想像に難くない。
亜衣であればこそ、三日三晩の淫夢にも耐え抜いたのだろう。
自分を信じ 耐えに耐えてくれた姉を、絶対に救い出さぬ訳には行かなかった。


決意の炎を瞳に宿し、囚われの妹巫女が 口を開いた。


                                                 (続)



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